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【田中優】新たな夏の風物詩?

夏になると、井戸水は冷たくていい。土の中の温度は一定だから、夏でもひんやりとした水を得ることができる。

我が家は井戸水を利用している。だから排水される水がどう流れていくのか当然気になる。以前、汚れた排水を捨てるのに困って庭に撒いたら、その年だけ井戸水の水質が悪化し基準を超えてしまった。

以来、汚水を捨てる時は、きちんと「汚水桝」に流すようにしている。幸い基準を超過したのはその年だけで、翌年からは基準よりはるかに低くなった。

さらに周囲から流れ込む水の農薬汚染も気になり調べた。

今や日本では「ネオニコチノイド農薬」の汚染があり、河川水も井戸水も汚染されている。水に溶けやすく作物の内部に入り込む性質を持つために、さまざまな水脈に入り込んでしまうのが厄介だ。

そのネオニコチノイド農薬も3カ月以上継続して測定したが「不検出」だった。
上流に農地のない我が家は、家の汚水さえ流れ込まないように気にすればいいということが分かった。

水の流れを把握してからは、汚れを避けるのは簡単なことになった。

都会に住んでいた時は雨水利用を考えていたが、井戸水利用は究極の雨水利用だと思う。

電気のオフグリッドをし、水もなるべく自給する暮らしをしている。口にするものも近くの農家で採れた安全なものが多くなった。そんな環境にも身体にも負荷の少ない暮らしが田舎に来たらできるようになった。その時に住む家はやはり安心できる家がいい。

家は天然住宅仕様だから有害な建材は使っていないし、無垢の木材は、適度に調湿牲と保温性を担保してくれている。

我が家は田舎の家で、必要最低限の間取りの小さな家だ。だけどしっかりと木材に四方を囲まれた「板倉造り」の家にした。「KURIMOKU」の低温乾燥の木材を使っているから、薬品を使わずに、木材がもつチカラで殺菌・防虫効果もある。当然、家の中でも安心して深呼吸できるような空間になる。

「高気密高断熱」の住宅が良いものとされているが、薬品を使ったような木材や建材でできた住宅で、気密を上げるのは身体への影響が大きい。建材の防虫処理には、農薬と同じようにネオニコチノイドがよく使われている。特にこんな酷暑では建材からの揮発が多くなるし、シックハウスの相談も増えてくる。これからの季節、農薬の散布や、建材からの揮発には気を付けてほしいと思う。

伝統的な木造住宅の持つ、適度な気密性と通気性がある家の方が健康的に暮らせると思う。気密を上げるならそこに使う建材は安全な建材であってほしい。夏の風物詩は体調不良?ではなく、変わらず元気な子供たちとともにあってほしい。
 
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