天然住宅 読みもの

読みものメニューをみる

家づくりの豆知識|土間

こんにちは、設計部の早田です。
 
過去にお客様からいただいたご相談をもとに、家づくり計画に役立つ豆知識をお届けします。
今回のテーマは、「土間」です。
  
***
 
「土間」という言葉を聞いて、皆さんはどんな場所を想像されますか?
 
お客様のご要望をお伺いすると、土間に憧れを持ってらっしゃる方は少なくないという印象です。
現代の住まいと「土間」。今やその使い方も様々。

いくつもの土間の設計をしてきた私が、そのメリットやデメリット、施工例や失敗例など、ご紹介していきます。

「土間を作ろうか迷っている」。そんな皆さんの家づくりの参考になれば幸いです。

土間とは?


土間(どま)」とは、主に日本の伝統的な建物に見られる、床が土やコンクリートなどで固められており、板張りや畳敷きになっていない部分を指します。

農家や町家の作業場として使われていた形を基に、現在の建築にも取り入れられるようになりました。

現在は、昔のような火や水を使う作業場としての役割を持つ土間は少なくなっています。

メリット


土間のメリットは、なんといってもその機能性にあります。

外で使うものをそのまま収納できる

雨に濡れたレインコートや傘、ベビーカーやアウトドア用品など、汚れたものを気にせずそのまま収納できるのが土間のいいところ。土間のない玄関なら、拭きあげて収納しなければいけないところも、土間があればそんな面倒はありません。

作業を気兼ねなく

植物の植え替えやDIY、子どもの工作など、汚れやゴミの出やすい作業も、土間であれば気兼ねなくできます。多少荒っぽく使っても、大丈夫。子供の作業を穏やかに見守れるのは、親にとっても子供にとってもうれしいことですよね。

夏場でも涼しい

土間の仕上げに使われる、モルタルや石、タイルは熱伝導率が高いため、熱を奪いやすく冷たく感じるのが特徴。風が通る設計にすれば、より涼しく感じられます。

デメリットと改善策


冬は冷えやすい

夏場は涼しい土間ですが、冬場は冷え込みを感じやすいのが気になるところ。
ただし、しっかりと対策をすれば冷え込みも最小限に抑えることができます。
天然住宅の建主様も、「冬の冷え込みには構えていましたが、全く気になりませんでした」とのお声をいただきますよ。

冷え込み対策

大切なのは土間下地のコンクリート下にしっかりと断熱材を入れること
土間の冷え込みの原因は、地面からの冷気を直接取り込んでしまうこと。
だからこそ、地面と土間の間に断熱材を入れることで、地面や基礎コンクリートからの冷気を遮断することができるのです。

用途別おすすめの素材


選ぶ素材によって、土間の雰囲気は大きく変わります。
どの素材を選んでも、上記で紹介したメリットは変わりませんので、
ご自身がどのような雰囲気にしたいのか、予算と合わせて検討してくださいね

「土間」という名前の通り、伝統的な土間の素材は土。三和土(たたき)と呼ばれ、土と石灰とにがりを合わせた素材が代表的です。ただ、現代の建築で土間を土で仕上げる例はあまり見ません。

モルタル

砂利とセメントと水を合わせて作られているモルタル。他の素材に比べて安価であり、表面を平たんにしやすいのが特徴。天然住宅の施工例でも一番多く採用されています。
ただ、モルタルは「ヘアークラック」と呼ばれる細かいひびが入ることがあります。気になる方はタイルや石を選ぶ方がいいかもしれません。

タイル

モルタルに比べてコストはややかかりますが、色やデザイン、質感が豊富なため、理想の雰囲気に合わせて選ぶことができます。タイルによっては掃除がしにくいものもありますので、用途に合わせて選ぶといいかもしれません。

石風のタイルの施工例

モルタルやタイルと比べて一番硬いのが石。重厚感や高級感がでます。
ただ、施工費や運搬費が高くなりやすいため、予算との兼ね合いが必要です。
最近では石風のタイルもあります。石よりも費用を抑えられるのでおすすめです。

どんな人におすすめ?


「土間を作ってよかった!」そんな風に言ってくださる建主様にはこんな特徴があります。

・アウトドアが好き
・農的な暮らしをしている
・ガーデニングが好き
・自然素材の暮らしが好き
・ペットを飼っている etc…

よくよく話を聞いていくと、「その願い、土間以外でも叶えられるのでは。」と思うときがあります。

家づくりで大切なのは、その先の暮らしを具体的にイメージすること。どんな風に暮らしていきたいのか、率直に設計士に伝えてみてください。
 

【暮らしから見る】こんな土間はいかが?


薪ストーブのある土間

仕上げ:モルタル
広さ:約6畳
暮らしの特徴:農的暮らし、薪ストーブ

平屋にお住まいのW様。
農的暮らしをされています。玄関扉を開けると広がる約6畳の土間。
モルタルで仕上げました。設計当初から、薪ストーブをご要望で、それに合わせて玄関土間に。
薪ストーブが暮らしのおへそ。お手入れやお掃除も、土間だから気にせずできるのがいいところ。

おこぼしもへっちゃら。土間キッチンのある暮らし

仕上げ:モルタル
広さ:約6畳
暮らしの特徴:アウトドア好き、お子様2人

玄関とキッチン部分一帯を土間にしました。
お子様がいるからこそ、食卓でのおこぼしは気になるところ。
キッチンダイニングを土間にしたことで、お子さんが汚してもへっちゃらです。
料理の油跳ねなんかも気になりません。

農的暮らし×南北に抜ける通り土間

仕上げ:モルタル
広さ:約12畳
暮らしの特徴:農的暮らし

農的暮らしをされている建主様。畑仕事が日常です。
玄関からキッチンを通り、勝手口まで南北に抜ける通り土間にしました。
庭仕事が多く、土の付いた靴や服のまま、キッチンまで収穫した食材を運び込めるのがいいところ。
雨の日の畑仕事後、濡れたレインコートや長靴もそのままほしておけます。

半屋外の空間に。人の集う土間

仕上げ:洗い出し
広さ:約6畳
暮らしの特徴:人が集う


来客の多いこちらのお家は、「気軽に立ち寄ってもらえる場所にしたい」という建主様の希望のもと、玄関先のポーチを大きく広げ、土間のようなスペースに。
大きな庇を設けたことで、日差しや多少の雨も気になりません。
アプローチの北庭とも、南庭とも緩やかにつながっているからこそ、
「ふらっと立ち寄りたくなる」まさにそんな空間です。

and more

家づくりの豆知識のタグがついた記事をもっと読む
〉〉〉家づくりの豆知識・平屋
〉〉〉家づくりの豆知識・吹き抜け
〉〉〉家づくりの豆知識・防音ルーム
〉〉〉家づくりの豆知識・傾斜地での建築


資料請求

問い合わせ

暮らしのこと、家のこと、
土地のこと。何でもご相談ください。

メールの問い合わせ

電話でのお問い合わせ

tel:042-497-8762

10:00〜18:00 / 日・祝のぞく