こんにちは。天然住宅さんで、二世帯住宅を建築中のふくだ家・妻のはること申します。
私たちふくだ家の家づくりの過程を4回に分けて綴っています。
今回は第3弾、設計と伐採体験についてお話しします。
少しでも家づくりを考えている方の参考になればうれしいです。

「完全分離型」の2世帯住宅にしたい!
両親と私&夫の4人(と犬1匹)の構成メンバーでの家づくり。やっとプラン作りがはじまりました!
(第1回と第2回はこちらからお読みいただけます!)
さて、我々のメインの希望は、各世帯が独立した、いわゆる「完全分離型」の二世帯住宅にしたい、ということ。

最初に“二世帯住宅を建てよう”と話が出た時まず思ったのが、
「二世帯住宅なんて建てて、長い間には住まい手の構成メンバーも変化しそうだし、このメンバーの誰かがいつか、どういう形で家を離れても(やがては皆いなくなりますね)、残った家族の負担にならない形にできるといいな…。」
完全分離型なら、将来構成メンバーが変わっても、比較的柔軟に家を気にいってくれる「誰か」に、1Fだけとか2Fだけとか、ふわりと気持ちよく住んでもらえるかも?…と思ったのです。
お互いの世帯の距離感も丁度良いのでは…。幸いなことに、両親も夫もなんとなく皆同じような気持ちを持っているらしく、完全分離型が良いね、と自然に落ち着きました。
なにしろ長持ちが特徴の天然住宅さん!
私たちがいなくなっても、誰かに住み継いでもらい、長ーくおうちに残ってもらえたら嬉しい…。
自分たちはもちろん、いつかの将来、私たちではない誰かも、無垢の床に寝転んで「あーやっぱりうちが最高!」なんて、この家が好きになってくれたらなんだか楽しいな~。
天然住宅さんとの打ち合わせが始まる

そんな我々の二世帯長屋のプラン作り、天然住宅さん曰く「セミオーダープランが良いと思います」とのこと。
「セミオーダー=ある程度決まった中から選ぶ感じかな?」とイメージしていたのですが、思った以上に自由度は高かった!(これをやりたいのに、セミオーダーだからNGというシーンはこれといって記憶になし。)
さらに嬉しかったのは設計の丁寧さ。
2週間ごとの対面やオンラインでの打ち合わせの度に何度もプランを練り直してくれ、A案から始まったプランはJ案,H案…何案まであったでしょうか。
ここまで細やかに丁寧に設計を考えてくれてありがとう…!です。
親世代、子世代それぞれのこだわり
収納を沢山確保したい親世帯は、限られた広さの中でどうやって沢山の使いやすい収納を確保するか?と、父の書斎コーナーにこだわりが。
そして、私たち子世帯は、琺瑯のお風呂、シンプルな造作キッチン、そして犬用の窓!?にこだわりです!(犬用の窓って何?というと…、我が家のこわがり犬(東風・コチ)は窓から外を眺めるのが大好き。愛犬に甘い夫のゆずれぬポイントとして、犬があごをのせる台の高さや窓の形状まで入念にこだわっていました。。)


意見がぶつかることも。
プランづくりの間には、家族の意見があわなかったり、言い争いもちょこちょこ、結構ありました。
例えば収納の位置や部屋の仕様など、「結果的に何を選んだか」よりは「皆が納得感を持てているか」の方が大事…と思って、こつこつと話し合いの積み重ね。
離れて暮らしているので、グループラインやZoomなどのオンラインツールがあって本当によかった。
…半年以上の設計期間の間には、仕事をしながら家のことを考えたり、打合せの時間を捻出することに段々疲れが溜まり、あーもう家のこと考えるの休みたい、早く楽になりたい笑 と思った日もありました。
そんな中頑張れたのは、79歳の父と72歳の母が本当に粘り強くプランを考えつづける姿(はたして自分は同じ年でここまで頑張れるだろうか?)、
設計の小野寺さんが「1F2F、両方に満足いただけるプランに絶対しますから!」と言ってくれた言葉、
ピンチの時、営業の中村さんの涙の出そうな親身で迅速な対応…。足が止まりそうな時、大きな後押しになりました。
「完璧な家を作ること」がゴールじゃない
プラン作りが終わって思うことは、完璧な家を作ることが目的じゃなかったんだな、ということ。
予算や制約面であきらめたことも多々ありましたが、どんな家にしたいのか、希望をひとつひとつ並べて皆で検討したので不思議と悔いなし。

果たして我らの家は住みよい家になったのか?まだ家も建っていないのでわかりません。でもとりあえず、家族全員バッターボックスに立って全力でバットを振れた気がします。さて、私たちのボールは、どこに飛んでいくのでしょうか…。
我が家の木材を自分たちで切りに行く…!
すこし時はさかのぼり、プラン作り開始前夜。
修学旅行気分で楽しみにしていたのが、くりこまでの伐採ツアー。
そもそも、建て主に自分で家の木材を伐る体験をさせてくれるなんて、天然住宅さんの森にかける想いの強さが伝わってきますよね。
11月末、大人4人、犬1匹、いざくりこまへ!

小雪が舞う森に分け入って、木を選び、伐る。…これはすごく大きな体験でした。
現代の杣人仕事は「ギュイーン…」とチェーンソーなので、のこぎり挽きのズーイズーイ…という風情はなくあっという間の出来事でしたが、父と母がチェーンソーを使い、私がくさびをトンカチで打ち込んで、メリメリ、ドシーン!と伐り倒した瞬間、なんだか涙が出てしまいました。
隣を見たら母も涙、父は最高の笑顔でした!ずーっと60年位ここに立って生きていた木が倒れる瞬間の、ズーン…という響きが“いのちの重みの音”という感じで、山の中に消えていったことに感動しました。


夫ひとり、メリメリ…と木が倒れだした瞬間、東風(我が家の犬)がおびえて猛ダッシュで現場から逃げ去ってしまったため、一緒に離脱…、感動の瞬間にまるで立ち会いそこねていたのが気の毒でしたが…。

KURIMOKUの製材所も見学しました
伐採後、国産材を樹皮も何もかも、本当に捨てるところなく活用している製材所さんの取組なども見学でき、とても興味深かったです。

今は国産材の需要を上回る植林材が山に生えているため、なんとか製材業をなりたたせ、木をコンスタントに伐採することで、光を森に通して森を守れるように様々な工夫がなされているそうです。
見学した製材所さんも、伐った木をまず建材や家具材にし、余った部分は製紙用パルプ、ストーブ用ペレット、木くずも燃やして発電・・・と余すところなくまるごと木を活かす方法を工夫されていて、とても感心しました。


犬連れで、大型車を借りて片道7時間以上の移動だったので旅のあとの疲労はどわ~んと来ましたが、久々の親との家族旅行で、こんなに色々なものを見たり経験することができて、嬉しく忘れがたい時間に。
そして、当たり前ですが、木の命をいただいて家ができること。
森を守る取り組みの大きな環の中に、自分たちも関われていることに感謝が湧いた旅になりました。
おまけ
そうそう、旅の間に大きな綺麗な虹が見えて、わー、これは幸先が良い!私たちの家づくりを祝福してくれてるのかも?とパシャリ。お守りのように今もスマートフォンの待受画面に設定しています。

さて、このブログを書いている今は、まだ着工していないのですが、次回は建築中の様子を夫がつづる予定です。早く家が建つ様子を見てみたい!つづく…。
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