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おカネに依存しない暮らし、自営|田中優コラム #65

おカネに依存しない暮らし



前々回の原稿で書いたように、おカネに頼らずに暮らすのに最も大きいのは住宅費だった。次に大きいのは貯金そのものだが、貯金は将来の支出分だから生活費が減ればそれに比例して減る。続いて「光熱水費」も大きいが、我が家では未来への投資として自給してしまった。今も残るのは太陽熱温水器で十分な温度に上がらなかったときの温水器のガスと、炊事に使うガスだ。これについてはイスラエルの会社が10万円ほどで販売を始めた「ホームバイオガス」に期待している。毎日の生ごみを投入するだけで、毎日6kw程度のガスを作り出すという。日本で販売されるようになったら、早速導入してみたいと思っている。

残るは「食費と小遣い」だが、食費は次回述べることとし、「小遣い」や他の細かい費用である「交通費、日用品、雑費、交際費」を考えてみることにしたい。

自営と小遣い



「小遣い」と言っても何のための費用なのかによるが、次の対策として重要になるのが「自営」だ。もし取材すべき人とのお茶代などなら「取材費」になる。細かな「交通費、日用品、雑費、交際費」なども、取材や会議のためのものならこれも必要経費になる。

そして自宅内であっても主に事業のためのスペースなら経費になるし、事務用品も同様だ。自宅は自分のものだが、法人に貸していることになるのだ。

サラリーマンのときには自分の小遣いで支払うものと思い込んでいたものが、事業のための経費になる。通信費も同様だ。仕事の関係で連絡を取るならそれは経費だし、そもそも電話嫌いで自分から電話しようとしないぼくのような人なら、100%経費になってしまう。きちっと「自分のためのことか、事業のためのものか」を判断するなら、ムダなことをしたがらないぼくのような暮らしなら、ほとんどが経費になってしまうのだ。

税は自分で申告して納税すべきものと考えると、サラリーマン時代に漫然と小遣いで払っていたものの多くが必要経費になる。まだよくわかっていないが、講演の時のために買う衣料品も経費になるのかもしれない。

年収400万円で貯蓄世帯へ



ここまででざっと計算してみると、年収400万円を前提として、住宅費と光熱水費を自給することで支出は400万円から240万円まで減る(貯金額も比例して減らして)。さらに自営のための経費を除くと、個人の支出額はさらに140万円まで減る。こうなると必要な生活費は年収で140万円だから、月の収入では10万円強まで減るのだ。これなら無茶な働き方をしなくていい。もちろんそれより多くの収入を稼いでいるので、その分は次の実験に使えるのだ。その話は今後に回すこととして、支出を先に考えるなら、収入は少なくても足りるようになるのだ。

生活費もまた「電気自給」と同じことだ。電気の自給に最も重要なことは電気の消費を合理的に減らすことであって、電気を生み出すことではない、同じように生活費を合理的に減らすと、次の道が開けてくる。

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