家庭レベルの省エネ
前話の続き
客観的に見てみると、私たちが温室効果ガスの排出に関係するのは、まずは「電気」で、次が「クルマ」だ。
だからこの排出量を問題にしよう。もちろん日本人の家庭からの排出量は諸外国に比べて多くない。(図3)省エネ努力では日本の家庭は優れているのだ。政府と企業が無策なだけで。
その1、熱に電気を使わないこと
図で見るように、家庭の排出量で見てみると日本の家庭は「省エネ優等生」なのだ。
それでももっとできることはある。電気消費についていうと、まず第一に「熱に電気を使わないこと」が大事だ。
もともと、発電所では熱から電気を生み出すのだ。熱が100出て、そこからやっと40ほどの電気を生み出している。その電気を使って、熱を生み出すのは非効率である。できることなら熱のまま使えばいいだろう。わざわざ電気にする必要はない。
いくらエアコンがヒートポンプを利用して高効率になっても、電気を経由するだけやっぱり無駄になる。だから熱を電気で作らないことが大事なのだ。
その2、省エネ製品を利用すること
その次に大事なのは省エネ製品を利用することだ。
実際、冷蔵庫はマイナス97%という驚異的な省エネを実現した。おかげで「省エネ製品を買う金が無駄になる」とか「捨てるのにエネルギーを浪費する」と言われることもあるが、計算してみると買うコストは4年ほどで電気量が安くなって回収されるし、捨てるエネルギー量は、もともと廃棄はリサイクルされるのでほとんど計算値に入らない。つまり、とんでもなく「省エネが進んだときには買い替えた方が良い」のだ。買い替えたら今度はずっと使ってもらえばいい。
とんでもなく省エネが進んだときは、廃棄のことよりも、大事に使うことがむしろ問題になるのだ。
我慢忍耐なしでできること
次に大きいのがクルマで、その燃費はものすごく改善した。もちろん公共交通機関を利用するのが一番良いが、あいにく地方では公共交通機関そのものがない。だからクルマを利用せざるを得ないのだが、我が家のクリーンディーゼルは公害を出さないだけでなく燃費が良い。普段乗りでリッター22.8キロ走り、一般道で遠出するとリッター23キロを超えて走る。しかも軽油だから安く済む。一回の給油で岡山から新潟まで走るのだから、途中の給油が要らないのだ。
こうした省エネ製品を活用するのが第一の対策だ。無理して苦労しなくていい。今まで通りの暮らしを続けながら、消費量を減らすのがまず第一だ。