
入社2年目の新米スタッフ田村が、先輩スタッフにインタビューするこの企画。
第2弾は、天然住宅工事部長・濱中をクローズアップします。
(第1弾はこちらから)
普段あまり語られることのない、家づくりへの熱い思いを聞くことができ、個人的にも胸が熱くなったインタビューです。
ぜひ最後までお読みください!

経歴は?
東京都青梅市で生まれ育ち、武蔵工業大学(現在の東京都市大学)都市基盤工学科に入学しました。
もともと建築に興味があったこともあり、高校時代の先生の勧めで都市基盤を学ぶことに。
ただ、実際の大学での勉強は建築というよりインフラなどの大規模なものが中心でした。
卒業後は、都心部の大手建築会社に入社し、現場監督として建売住宅を担当しました。
天然住宅に入社したきっかけは?
前職で5年ほど勤めた頃、「もう少しじっくり、こだわりを持って家づくりをしたい」と思うようになりました。
当時の会社では、建売住宅という性質上、一度に担当する物件数が多く、同時に20棟ほどを管理していました。
建売住宅の場合、”建主様”がいない状態で工事を進めるため、会社が決めた仕様通りに家を作っていきます。打ち合わせや設計変更がない分、同時にたくさんの物件を見ることができました。

この5年間の現場監督の経験は、いわばスポーツでいう「基礎練習」のようなもの。
基本的なチェック項目を、何度も繰り返すことで、現場管理の基礎的な技術が体に染みついたと思います。
「この経験を生かしながら、こだわりを持って家をつくる会社で働きたい」と思うようになった頃、ちょうど天然住宅と出会いました。

相根さん(前身会社の代表)の文章を読んだり、天然住宅のセミナーに参加したりする中で、「ここまで材料にこだわっている工務店は聞いたことがない」と驚いたことを今でも覚えています。
ただ、その時は会社の規模が小さく、応募方法がわからなかったんです(笑)
そんな時、ある求人サイトで「建築関係事務員募集」という求人を見つけました。会社名が伏せられていたため最初は気づかなかったのですが、実はそれが天然住宅のグループ会社・素材工房の募集だったんです。
この偶然に何か呼ばれているような気がして、素材工房への入社を決意しました。
環境・自然への興味はいつから?

気づいた時にはすでにありました。
青梅で育ち、子どもの頃から自然に囲まれた生活を送っていたことが大きいと思います。
その影響で、大人になってからもキャンプや海へ行くことが好きです。
自然が身近にあったからこそ、天然住宅の考え方にも自然と共感できたのだと思います。
現場監督の仕事内容は?

現場監督の役割は、大工や業者さんがスムーズに、正確に、そして工期内で工事を進められるようにすることです。
具体的には、スケジュールや予算の管理、材料を手配、施工のチェック、想定外の事態への対応など、多岐に渡ります。
一番やりがいを感じる瞬間は?
図面で見たものが、実際に目の前で形になっていくことに面白さややりがいを感じます。
また、工事の途中で、よりよくできる部分を施主様に提案し、それが実現した時の喜びも大きいですね。
図面上では見落とされていた細かな部分の調整が必要になることもあり、どうすればより良い形にできるか考えるのも好きです。

前職との大きな違いは?
「建主様がいる」ということですね。
誰かのために家をつくるという意識が、前職との大きな違いです。
建主様がどのような方で、どのような暮らしをされてきたのかを知ることで、その方のことを考えた提案や配慮ができます。そのほうがやっぱり楽しいですね。

仕事をする上で意識していることは?
家づくりに関わる人たちの「バランス」です。
いい家を建てる過程では、時に意見がぶつかることもあります。それは、お互いに信頼しているからこそ生まれる正直な意見です。
その上で、建主様の希望、設計の意図、大工の負担、予算、工期などのバランスを取ることが大切です。
「いい家」をつくるためには、こうした調整が欠かせず、そのバランスこそが鍵になると考えています。

天然住宅はどんな会社?
スタッフ全員が善意を持ち、仕事に対する意識が高いと感じます。
会社としても家づくりへのこだわりが強く、まっすぐに愚直に自然素材と向き合ってきました。
「山を守りたい」という気持ちは、僕が入社した頃から変わらず受け継がれています。
全員がまっすぐで、誠実に仕事と向き合っている、そんな会社だと思います。

濱中さんの根幹にも森を守るという思いは強くある?
むしろ今のほうが強くなっています。
ただ、正直に言えば、天然住宅がこだわっていることがすべて正解かどうかはわかりません。
今のやり方が最善かもしれないし、もっと良いやり方があるかもしれない。
でも根幹の想いは変わりません。それを裏切る仕事はしたくないという思いがあります。
熱い思いを持ちつつも、常に客観的な視点を持つ濱中さん。
「自分たちのやっていることが絶対に正しい!」と盲目的に信じるのではなく、柔軟に考える姿勢は、自分が家を建てる側だったら、とても心強いと思いました。
2023年、天然住宅で自宅を建てた濱中さん。
工務店スタッフとして、そして建主としての2つの立場から家づくりの楽しさについて聞いてみました。

家づくりの楽しさは?
現場監督の視点でいうと、できあがったものを買って終わりではなく、建主さんの暮らしや価値観に深く関わりながら、話し合いを進めていくことですね。
建主様の大切にしていることに触れ、新たな価値観を知ることができるのは、この仕事ならではの醍醐味だと思います。
自分の価値観との比較を通じて学びがあることや、自分の許容範囲が広がることにも楽しさを感じます。
建主からの視点でいうと、「家づくり」というクッションがあることで、家族とじっくり腹を割って話ができることが楽しかったです。
家族の関係をより深められる、良い機会になりました。

最後に、濱中さんにとっての「いい家」とは。

「住む人にとって、家にいることでプラスになる家」です。
家に暮らしを合わせるのではなく、家にいることでその人がより良い状態になれる家が「いい家」だと思います。
こだわる部分はしっかりこだわってほしいですが、天然住宅の家に住むことで一番よくなってほしいのは、その人自身の健康や気持ちです。
家のために疲れたり、掃除や設備の管理に追われてたりするのではなく、住むことでより元気になり、生活の質が上がるような家をつくってほしい。
「自分がどう暮らしたいか」を第一に考えた家づくりをしてほしいです。
また、必要なものとそうではないものを冷静に判断し、なるべくシンプルな家にすることもおすすめしたいです。
実際に自分の家が少し複雑なので、余計にそう思いますね。
普段は、黙々と仕事に打ち込む姿が印象的な濱中さん。
しかし、家づくりの話になると、楽しそうに、そして信念をもって語る姿がとても印象的でした。
現場監督・濱中の家の家づくりの様子はこちらからご覧いただけます。
【現場監督濱中の家】地鎮祭の様子を見る
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