こんにちは。
先日、初めてこちらのコラムを書かせていただいたところ、意外と好評だったので、気を良くしているむらやま家族の夫・村山 誠です。
私たち家族は、妻のともみ、三人の息子たち(小5・小1・5歳)、妻の両親とともに、2013年から天然住宅の家に暮らしています。
妻とともに、雑誌や書籍、webなどを制作する編集プロダクション「Neem Tree」と一軒家写真館「Neem Tree Studio」を営んでいます。
「なぜ、むらやま家族?」と思った方は、こちらもお読みいただければと思います。
先日、三男のお迎えで保育園から自転車で帰宅していたときのことです。
三男「きょう、ほいくえんで“ひなんくんれん”があったよ!」
「ちょうりしつからかさいはっせいしたんだって!!」
父 「先生のお話聞いてちゃんと避難できたかな?」
三男「うん! でも、つくえのしたにかくれちゃったおともだちがいた」
父 「えっ!?」
「それってグラグラしたときじゃ・・・。」
保育園では、地震が発生した時に備えて「防災訓練」も実施しているのですが、その子は【緊急事態=地震】というイメージが強かったのでしょうね。
実際の火事じゃなくてほっとしました!
ということで、今回のテーマは、「地震対策」についてです。
毎年9月1日は、「地震や台風、津波などの災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備するため」として防災の日に制定されていますが、2011年の東日本大震災以降、全国各地で地震が頻繁に起きているように思います。
もはやいつどこで地震が起きるかわからない状況で、近い将来、首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震が起きるともささやかれています。
では、このような状況の中で、安心な暮らしにつなげるためには、どのような地震対策をするのがよいのでしょうか?
地震対策の大前提とは?
まず最初に考えたいのは、「耐震性のある家に住むこと」です。
地震によって傾いたり倒壊したりした場合、その家にはもうそのままでは住めません。
通常、家を建てる場合、柱と柱の間に斜めにつっかえ棒のようにかけて、地震などで建物が倒れようとする力に抵抗する筋交い(すじかい)という木材が多く使われています。
天然住宅の家は、この筋交いの入った壁(耐力壁)を、建築基準法で定められている量より、少なくとも1.25倍は多く使い、さらに、地震発生時に家に加わる力が分散されるよう、バランスよく配置しています。
耐震性も、通常の耐震基準の1.25倍あるということになります。
(詳しくは >>こちら)
設計面では、柱と耐力壁の位置を、1階と2階で極力揃えることで、地震の力を効率的に地面に逃すような構造になっています。
使用する木材は、低温乾燥で強さとしなやかさを備えたもので、職人さんが手作業で接合部分を加工し組み上げていきます。
金属部品を使わずに組んだ接合部分は、劣化の原因となる結露やサビがなく、木材同士が締め付けあって、年々強度を増していくそうです。
わが家にとって、優れた耐震性が長続きする家に住んでいることは、それだけで相当な安心材料です。
これから家を建てることを検討している方はもちろん、賃貸物件についても、耐震基準を満たしているかを確認することはとても重要だと思います。
(天然住宅の耐震性について、>>さらに詳しく読む)
思い立ったが吉日!? わが家の防災グッズ
では、家の中はどうでしょう?
地震や台風が頻繁に起こるためか、ここ最近、編集の仕事で、妻が防災の記事を書く機会がとても多くなりました。
防災士の方に取材したり、さまざまな防災グッズを調べていたのですが、原稿を書いているうちに、妻はふと、わが家が地震対策をほとんどしていないことに気がつきました。
いつ起きるかわからない地震への備えをおろそかにしていたことは否めず、何か起きる前に気がついたことは幸いでした。
「頑丈な家に住んでさえいれば大丈夫!」ということではないんですね・・・。
そこからは、それはもう早かったです!
思い立ったらすぐに行動に移す妻は、瞬時に防災士の方がおすすめする防災グッズをネットで大量に購入しました。
こうして、数日後に届いた防災グッズの数々はこちらです!
●冷蔵庫
これは、おなじみ突っ張り棒ですね。
ドアの上の部分に付いているこの耐震ラッチは、強い揺れが起きるとロックがかかってドアが開かなくなり、冷蔵庫の中のものが飛び出しません。
足の部分にも、衝撃を吸収し転倒を防止するパッドを付けています。
●キッチンシェルフ
こちらもおなじみ、家具の転倒防止板を下にかませています。
●分電盤
赤いボールがおもりになっていて、強く揺れるとボールが転がり落ちて、ブレーカーのスイッチが切れます。
漏電による火災を防いでくれます。
●本棚
ここは勾配天井なので突っ張り棒は使えず、上の部分で壁と固定しています。
足にも衝撃吸収キャップを。
●テレビ
もともと倒れにくい耐転倒設計のテレビですが、さらに転倒防止シートで、テレビボードと固定しています。
●子ども机
天板の下で壁と固定しています。
足元には、転倒防止板。
わが家の子ども机は、二人並んで座れる組み合わせデスクでとても大きく、さらにそのすぐ横に次男と三男が布団を敷いて寝ているので、念入りに対策です。
●姿見
ベルト式の器具で壁と固定しています。
●非常用リュック
中には、飲料水・非常食・電池・多機能ライト・軍手・ローソク・携帯トイレ・エマージェンシーシート(銀シート)・ファーストエイドキット・マスク・水のいらないシャンプー、などが入っています。
1階と2階に一つずつ、クローゼットの中に置いてあります。
地震発生時、耐震性に優れた家に住んでいて倒壊は免れたけど、家の中で大型の家電や家具が倒れてきて怪我をしたり、通路がふさがれて身動きが取れなくなってしまっては元も子もありません。
災害時、いかにステイホームできるか
さらに、普段から心がけたい防災対策としてオススメなのが「ローリングストック」です。
ローリングストックとは、備蓄した食材を日常的に使い回しながら災害に備える方法です。
食卓に使ったものを買い足すだけで、習慣的に防災対策ができるのが大きな利点です。
非常食は備蓄しておくと、いつの間にか消費期限が切れてしまい、廃棄となってしまうケースもあります。
ローリングストックは、備蓄した食材を無駄にせず、普段の食卓に並べられるので、フードロスを防ぐことができるんです。
食材だけでなく、日用品やカセットボンベなどの管理にも活用したい方法です。
キャンプに行くご家庭は、キャンプ用品もいざというときに大いに役立つそうですよ。
これで完璧とは言い切れませんが、優れた耐震性が長続きする家に住み、大型家電・不安定な家具の転倒・破損を食い止め、食料・飲料水を備蓄しておくことで、最悪の事態は避けられそうです。
もし被災したとしても、家が倒壊する心配もなく、家の中で倒れてきた家具で怪我や身動きが取れなくなることもなく、食料・救援物資が届かない不安を感じることもなく、ライフラインが復旧するまで自宅で待機することができそうです。
みなさんは、地震対策ってどうされていますか?
むらやま家族/過去のコラム一覧
1話 >> はじめまして、「むらやま家族」です
2話 >> 植物の似合う家
3話 >> 新築の家のびっくり事件簿
4話 >> 和紙クロスに合う壁インテリア
5話 >> 子どもにやさしい家
6話 >> 花のある暮らし
7話 >> 外出自粛中のおうち時間を振り返って
8話 >> わが家の庭の話
9話 >> 新生児も暮らせる新築の家
10話 >> どうする子ども部屋!?
11話 >> 梅雨でも快適な暮らし
12話 >> わが家の家具の選びかた
13話 >> 家電との向き合い方
14話 >> この家に暮らし始めてできた趣味
15話 >> 二世帯で心地よく暮らす方法