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二世帯で心地よく暮らす方法|天然住宅の家に暮らす建主の日常#15

こんにちは。
あっという間に夏休みが終わり、少しずつ秋の気配が感じられる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 
わが家は……と言いますと、

このところの感染拡大で、楽しみにしていた夫の実家への帰省も先延ばしになってしまい、しょんぼりしていますが、毎日子どもたちの小競り合いとハイテンションからの叫び声が家中に響き渡り、相変わらずにぎやかに、元気に過ごしております。
 
今回のコラムは、私、むらやま家族の母・村山ともみが担当させていただきます。「むらやま家族って何?」と思った方は、こちらのブログもお読みいただけると幸いです。
 
私たちは、2013年から、天然住宅の家に暮らしています。
仕事は、夫とともに、雑誌や書籍、webなどを制作する編集プロダクション「Neem Tree」と一軒家写真館「Neem Tree Studio」を営んでいます。
 

意外なほどあっさり決まった「二世帯暮らし」


今日のコラムは、二世帯暮らし」をテーマに書こうと思います。
わが家は夫、三人の息子たち(小5・小1・5歳)、私の両親の7人家族。
二世帯で暮らせるほど家が広いかというと、まったくそんなことはなく(1,2階合わせて26坪)、二世帯にしてはかなりコンパクトなほうです。

そもそも、二世帯で住むきっかけとなったのは、母の言葉でした。

たまたま母と私、まだ小さかった長男の3人で食事をしていたときに、家を建てようと思っていると伝えたところ、「一緒に住むのはどう?」と、母がとても自然に言ったんです(しかしその後、母は「そんなこと言ったっけ?」と、衝撃の一言を放っていました笑)。
私は母の提案を悪くないと思いましたが、夫に聞いてみないことには……と思ったので自宅に戻り、仕事から帰った夫に訊いてみたんです。

すると、夫は「いいと思う。いろいろ無駄がない」との返答。
あまりにあっさりと決まったので、拍子抜けしたのを覚えています。

父も二世帯暮らしに賛成したようで、あれよあれよという間に一緒に住むことが決まりました。

わが家の「二世帯暮らし」の条件


二世帯住宅というと、子世帯と親世帯との条件の擦り合わせが大変だということをよく耳にします。


わが家の場合……


最初の条件は、父の仕事柄、地元を離れられないので、町内に土地を探すこと。
運よく、あっという間に町内の好立地に分譲地が見つかりました。

間取りについては基本的に私たちにおまかせでしたが、「親世帯は1階にしてほしい」という要望はありました。私たちもそのつもりだったので、ここもすぐに決定。

広さに関しては、そもそも注文をつけられるほどの広さがないということもあり、両親からの希望は特になし。

実際、キッチンとダイニングは私たち世帯と共用なので、親世帯のプライベートスペースは6畳に満たない和室のみ。
しかし、和室をダイニングキッチンと隣接にすることで、開放的な空間にすることができました。
私たちは食事の時しか1階に下りないので、両親はダイニングもほぼプライベート空間として活用できています。
 

ダイニングキッチンは10畳。子世帯スペースの2階は、10畳のリビングの他に、個室が二箇所と12畳のロフトがあります

 
意思決定の方法は、私が橋渡しになって、双方の希望を伝えるという形を取りましたが、両親にあまりこだわりがなかったので、協議する機会はほとんどありませんでした。
とはいえ、何か決定するときには必ず両親に伝え、意見を聞くようにしました。

家の設備に関しては、親世帯からいくつか要望がありました。
 

1.玄関ポーチはスロープにする
2.浴室暖房をつける
3.収納場所を確保する
4.自分たちの占有スペースは和室にする

 
当時、父は58歳。母は63歳でまだまだ若く、現在も元気に暮らしていますが、高齢になったときのことを見越しての設備の要望がありました。
こうした考えは当時30代の私たちの中にはまったくなかったので、しっかりリサーチしておいてよかったです。

玄関ドアまで段差がありません
国産減農薬い草の畳を敷いた和室は、子どもたちもしょっちゅうゴロゴロ

やっぱり収納はありがたい存在


収納については、和室に隣接した2畳ちょっとの納戸を作ったほか、ダイニングに戸棚を設置しました。

右奥(手前側)には布団棚があります
目隠しのロールカーテンは、後から設置


この戸棚、見た目より奥行きが深く、かなり収納力があります。
 

それでも入り切らない両親の衣類や持ち物は、長男の部屋にしているロフトの収納家具に入れています。

弟たちが大きくなり、ロフトに城を手に入れた長男

ロフト収納家具は、暮らし始めて2年後くらいに素材工房さんにお願いして作ってもらいました。横2m58cm、高さ90cm、奥行き50cmで、こちらも収納力抜群! インテリアとも調和しているので気に入っています。

家そのものはコンパクトなものの、広いロフトがあったおかげで、7人で住めました。
また、全体的に広くすっきりとして見えるのは、各部屋のところどころに収納力のある収納スペースや家具を設置したからかもしれません。

ロフトへのアクセスを固定階段にしたことで、荷物の運搬もスムーズ


父の数百冊に及ぶ蔵書は、Neem Treeの事務所へ。
両親は引っ越しの前にだいぶ荷物を処分してきたものの、3LDKのマンションから荷物を減らすのはやはりなかなか大変で、その点、事務所があったのは幸いでした。

私としては、「もっと捨てられるはず」と常々感じていますが、それはあまり言わないようにしています。
 

心地よい「二世帯暮らし」の秘訣とは


一緒に暮らし始めたころは、目に付くこともいろいろありましたが(きっとお互いに)、今はほとんど気にならなくなりました。

大らかになる。

これが、二世帯暮らしを心地よくする最大の秘訣なんじゃないかなと感じます。

私の両親もこだわりのないほうですが、何より、私の両親との7人暮らしの中で、小さなことはまったく気にしない夫には、心から感謝しています。

当初は玄関も水回りもまったく別の完全分離型がいいと思っていましたが、広さ的にそれは叶わず、親世帯が1階、子世帯が2階と、上下階で住まいの空間を分けているものの、キッチンとダイニング、浴室は共用のわが家。

でも、結果的にそうすることでコストを抑えられましたし、両親とは育児と家事の協力もしやすく助かっています。今ではこの形でよかったと思っています。

両親の占有スペースである和室では、おじいちゃんにギターを教わる長男の姿も。

三男が小さいときは、手押し車に乗せて1階を駆け回るおじいちゃん….笑。

一緒に住み始めた経緯を思い出しながらこのコラムを描き始めたときは、もとは3LDKのマンションにふたりで広々と暮らしていた両親が、自分たちのスペースが狭くなっても私たち子世帯と一緒に暮らすことを決めた理由って一体なんなんだろうと感じていました。

その頃は長男ひとりだけだったけれど、孫の成長を見守りながら、にぎやかに暮らす未来もいいかもしれないとでも思っていたのかな……。
ギターや手押し車の写真を見ながら、ふと感じました。

あまりに騒がしくて、ときどき父は「うるせー!」とか言っていますけれどね笑。

年賀状の写真は毎年、孫と和室で撮る母

 
次回は夫が書きます!
 

むらやま家族/過去のコラム一覧


1話 >> はじめまして、「むらやま家族」です
2話 >> 植物の似合う家
3話 >> 新築の家のびっくり事件簿
4話 >> 和紙クロスに合う壁インテリア
5話 >> 子どもにやさしい家
6話 >> 花のある暮らし
7話 >> 外出自粛中のおうち時間を振り返って
8話 >> わが家の庭の話
9話 >> 新生児も暮らせる新築の家
10話 >> どうする子ども部屋!?
11話 >> 梅雨でも快適な暮らし
12話 >> わが家の家具の選びかた
13話 >> 家電との向き合い方
14話 >> この家に暮らし始めてできた趣味


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